曖昧な記憶

個人のメンタルリスクマネジメントを通して、それぞれの個性を育て個人から社会へと貢献することを提案する実践心理学講師/心理カウンセラーの中村元洋です。
不定期ではありますが、私の体験や感じたことなどブログを書いていこうと思います。最後まで読んでいただけると嬉しいです。
人は、「思いもよらないこと」や「想定はしていたが、まさか本当に起こる」という出来事に出くわすと、一瞬、頭が真っ白になって記憶が若干曖昧になりやすいようです。
私自身、先日、記憶が曖昧になる出来事がありました。
実は、交通事故を起こしました。
2車線の右側を走行していると、真横に並ぶように走っていた相手の車と・・・。
ガッシャーン!
「???」
一瞬、何が起こったのか分かりませんでしたが、車を路肩に止め、外に出たとき・・・
バタン!

「おい!何で左に寄ってくるんだ‼」
開口一番、相手から飛んできた言葉です。まるで私を威圧するような表情で向かって来ました。
私はというと、驚くほど冷静でした。というより、記憶が曖昧になっていることに驚いていたのです。
一瞬だけ
イラっ!としましたが、その感情に身を任せるよりも、ぶつかった瞬間の記憶を辿ることを優先しました。
この時は、特に「心理学を活用している」実感が湧きました。
接触した瞬間の状況を思い出そうとしても、その記憶に確信が持てなかったので、ただ接触前のお互いの位置などを、相手に対して冷静に説明していました。
警察に接触した時の状況を説明するとき、相手は「向こう(この場合、私のこと)が、左に寄ってきた!」と、主張していました。
え?
そうかなぁ・・・?
私は真っ直ぐ走行していたような気がするけどなぁ・・・。
でも、記憶が曖昧だから確信はないな。
私は「お互いの記憶上の話では、どちらも主観的な意見ですし、平行線を辿りそうなのでドライブレコーダーで客観的な事実を確認しましょう」と、相手にも警察にも伝え、私の車に搭載されているドライブレコーダーの映像を提出しました。
ドライブレコーダーには、「相手の車が真横からぶつかってくる」映像が記録されていました。
ドライブレコーダーさまさまです!
誰が何と言おうと、客観的事実が録画されているわけですから。
これ以上ない「証人」です。
私たちは日頃より、自分の思い込み(主観的な現実)で世の中のすべての事を捉えています。それが「良い」とか「悪い」とかではなく、誰もがそのように世の中を見ているということです。
ポジティブな出来事も
ネガティブな出来事も
それは「自分にとってポジティブ(ネガティブ)な出来事」なわけで、客観的に見ると、別の側面も持っていることがあります。
自分の中で、立ち上がるのが辛いほど「ネガティブだ」と思い込んでいる出来事の「意外とそうでもない」一面を見たあとでは、その出来事は、一体、どんな印象に変わるでしょうか?
「相手も自分も傷つけない思い込み」は、どれほど素直に自分らしく表現することを可能にするのでしょうね。